「まちづくり」としてのアザレアのまち音楽祭を
特定非営利活動法人アザレア文化フォーラム 理事長 金 澤 瑞 子
第26回アザレアのまち音楽祭が、いよいよ始まります。
ひとつの区切りを終えての、再出発の年です。そこには、組織としての、ある意味での念願でもありました「アザレア文化フォーラム」NPOの立ち上げの記念すべき年でもあります。倉吉市との協働の約束、覚悟が一層大きくなったという意味で、アザレアのまち音楽祭企画実行委員会としては、これまで以上に緊張しております。
1.倉吉未来中心の運営を倉吉市民の手で
また、一方といいますか、流れとも、大きな意味では「生きている、存在している責任」となった「倉吉未来中心の運営を倉吉市民の手で」という「倉吉未来中心の指定管理者を、この特定非営利活動法人アザレア文化フォーラムでやらせて頂きたい」という行動の発信です。
財政的にも鳥取県と中部市町が半々の負担である事は、ご存知の事ですが、運営は現在のところ、県の外郭団体「鳥取県文化振興財団」です。外郭団体ゆえに、その枠の中での運営であることは、致し方ありません。
しかし、最近は「県文化振興財団」としてのサービスも向上してきましたけれど、私どもがこの25年間のアザレアのまち音楽祭で培って来た「運営のサービス」を基本に考えますとき、その不備、使い勝手の悪さは、これ以上の要求は、運営を私たち利用者でする以外に無いという結論に達した、というのが実情です。
2.財政が逼迫した時にこそ、市民の手で
みなさんもご存知のように、全国的にこのホール運営の問題は、いま危機を迎えています。国の財政が逼迫してくると、まず対象となるのが「文化事業」というのは、日本はまだまだという実感ですが、それはさておき、倉吉未来中心の指定管理者に特定非営利活動法人アザレア文化フォーラムが手を上げざるを得ない実情はそこにあることを、ご理解頂きたいのです。これは、実は「まちづくり」の基本でもあると思うわけです。
今年もファイナル・コンサートに成徳・上灘の小学校の子どもさんの参加があります。いまや、アザレアのまち音楽祭が歴史として実践してまいりました、ひとつの文化が、ここに結実を実感いたします。
私たちは、遊びや単なる趣味で、アザレアのまち音楽祭をここまで続けていたのではなかった、ということです。音楽祭の積み重ねは、確かに歓びであり、楽しみでした。けれども、続ける、続いた、という事の裏には責任というものが生じていたことを思います。それは大人の仕事であり、生きる意味でもあったからです。
3.まちづくりは倉吉未来中心の活性化が必要
アザレアのまち音楽祭に参加して、舞台を共にした子どもさんたちが、次の世代を担うとき、自立した、自主運営が成り立っている「倉吉未来中心」を手渡したいのです。
「アザレアのまち音楽祭」の出発は「まちづくり」が目的ではなかったかも知れませんが、いまや、「まちづくり」をこの「倉吉未来中心」を外しては発展がないことを、再度アピールしたいと思うのです。
そしてまた、行政の枠を外した近隣の町との協働も必要です。今年は北栄町でのコンサートも2回ございます。三朝町でも昨年に続き「御座所コンサート」、美術館、三朝町総合文化ホールとございます。どうぞお出かけ下さい。
インターネットの広がりで、今年も他地区からのお客様、お里帰りをアザレアのまち音楽祭のときになど、うれしいお話です。
何とぞ特定非営利活動法人アザレア文化フォーラムの会員にも音楽祭と合わせてご参加くださいますよう。